建設業の仕事内容とは?施工管理や設計の種類
建設業には多様な仕事内容があり、主に施工管理、技術職、営業職、事務職に分かれます。各職種は特有のスキルを求められ、それぞれの役割がプロジェクト成功に貢献しています。
また、建設業界に向いているのは、使命感があり、コミュニケーション能力が高く、納期を意識して作業できる人です。OB・OG訪問で具体的な仕事内容を把握するのもおすすめです。
目次
建設業の仕事内容は?
建設業には様々な仕事内容があります。主な仕事内容は以下の通りです。
◇施工管理
施工管理は、工事現場での品質や安全を確保し、工事が計画通りに進行するよう監督・管理を行う仕事です。現場での職人への指示やスケジュール管理、安全管理、材料の手配、施主や設計事務所との調整など、多岐にわたる業務を担当します。
◇設計
設計の仕事は、クライアントのニーズを具体的な形にするために、設計図を作成する非常に重要な役割を担っています。設計者は、クライアントが求める機能性やデザインを正確に理解し、要望に応えるだけでなく、品質やコストも考慮しながら、最適な設計を提供します。
設計過程では、自社の技術力や専門知識を最大限に活用し、クライアントにとって価値のある提案を行います。
◇技術
技術職には、大きく分けて2つの重要な側面があります。ひとつは、現場で直接工事を手がける職人であり、もうひとつは、工事条件や施工内容に合わせた技術提案や新技術の開発を行う技術開発者です。
職人は、建設現場での実務を担い、計画された設計図をもとに具体的な形にする役割を果たします。現場での判断力やスキルが求められ、精密な作業や安全性を確保しながら、効率的に工事を進めることが重要です。
一方、技術開発者は、工事が行われる条件や施工内容に基づいて、最適な技術を提案し、さらには新しい技術の開発を担う役割を持っています。現場での経験を活かしながら、最新の技術や材料を活用し、より効率的で持続可能な施工方法を模索します。
◇営業
営業職は、建設業界において非常に重要な役割を果たしています。営業担当者は、企業に対して自社の技術やサービスを積極的に売り込み、工事の受注を獲得する責任を担います。
これには、クライアントのニーズを正確に把握し、それに応じた提案を行うだけでなく、自社の技術力や過去の実績を効果的にアピールすることが求められます。
特に、公共工事においては、営業活動がさらに複雑で重要なものとなります。公共工事は、多くの場合、入札によって受注先が決定されるため、営業担当者は入札情報の調査や他社の動向を細かく分析する必要があります。
競合他社の強みや弱みを理解し、それを踏まえた上で自社の提案が他社よりも優れている点を明確に示すことが重要です。
◇事務
事務職は、企業のバックオフィスとして非常に重要な役割を果たしており、他部署の業務がスムーズに進行するようにサポートすることが主な任務です。事務職は、会社の経営が円滑に進むよう、さまざまな事務処理を担当します。
日々の業務の効率化や、正確で迅速な情報の提供が含まれ、企業全体の運営に欠かせない存在です。
施工管理の仕事の種類
画像出典:フォトAC
施工管理の仕事は、現場や対応する建物によって種類が分かれています。主な種類は以下の通りです。
◇建築施工管理
建築施工管理は、ビルや戸建て住宅、マンション、商業施設などの建物を建設する際の施工管理を担当します。主な業務内容は、施工計画、工程管理、安全管理、品質管理の4つに分類されます。
この分野で働く際に、「建築施工管理技士」という国家資格があると有利で、特に1級資格を持つと、大規模な建築現場に携わる機会が広がります。
◇土木施工管理
土木施工管理は、道路や上下水道、電力、トンネルなどのインフラ整備や保全工事を担当します。主に官公庁からの発注を受けることが多く、インフラの施工管理を行います。
この分野にも土木施工管理技士の資格があり、1級と2級に分かれます。1級資格を取得すれば、監理技術者としての役割も担うことができます。
◇設備施工管理
設備施工管理は、電気、配管、空調設備、造園、電気通信などの設備に関する工事の施工や工程管理を行います。
関連する資格として、電気工事施工管理技士、管工事施工管理技士、電気通信工事施工管理技士があります。これらの資格を持つことで、業務において優位に立つことができますが、事前に資格を取得していなくても問題はありません。
◇プラント施工管理
プラント施工管理は、プラント施設の設計、製造、品質検査などを含む作業工程のリスク管理や工期スケジュール管理を行います。この分野では、必須の資格はありませんが、マネジメントスキルや危機管理能力が求められます。
設計の仕事の種類
設計の仕事は、対応する内容によって種類が分かれています。主な種類は以下の通りです
◇意匠設計
意匠設計は、建築物の外観や内部のデザインを担当する、いわば設計の花形です。発注者の要望を的確に反映しながら、工程や予算といった制約を考慮して、バランスの取れたデザインを実現します。
発注者との綿密な打ち合わせや、社内の専門部署との連携が不可欠で、デザインと実用性を両立させることが求められます。
◇構造設計
構造設計は、建築物の安全性を確保するために重要な役割を担います。建物や設備の重量だけでなく、地震や洪水などの自然災害に対する耐性を考慮し、厳格な建築基準をクリアしつつ、クライアントの要望にも応える設計を行います。安全性と機能性のバランスが求められる分野です。
◇設備設計
設備設計は、電気・ガス・給排水・空調などのインフラ整備を通じて、建物の快適性と効率性を向上させる役割を果たします。省エネやエコに対する関心が高まる中、断熱性や気密性の向上が重要視され、ランニングコストの削減や室内環境の改善も設計において重視されます。
◇CADオペレーター
CADオペレーターは、CADソフトを用いて図面の作成や修正を行う専門家です。手書きの図面をデジタル化する作業も含まれるため、正確さと高度な技術が求められます。
必須の資格はありませんが、2次元CAD利用技術者試験や建築CAD検定などの資格を取得することで、自身の技能を証明することができます。
建設業の仕事に向いている人とは?
建設業採用において建設業界に向いている人は、以下の通りです。
◇使命感がある人
自分が関わった仕事を長く形に残したい、地図に残るような大規模なプロジェクトに挑戦したいという志を持つ人です。
ビルや工場、道路、橋、ダム、水道など、社会インフラを手がける企業が多いため、自分の仕事で社会全体を支えていくという使命感や、社会的影響力の高い仕事にやりがいを感じる人に向いています。
◇コミュニケーションが得意な人
建設プロジェクトは多くの関係者と協力して進めるため、チームで団結して取り組むことに喜びを感じる人にも適しています。社内外の多くの人と連携し、長期的に信頼関係を築くことが重要です。
◇工期や納期を考慮して作業を進められる人
プロジェクトの進行にはスピーディーな連携が求められるため、納期を意識しながら、他の関係者と効率的に情報を共有し、協力して作業を進める能力も必要です。
営業職では施主の要望を早急に取りまとめて設計担当者に伝える、設計職では図面を描く際に工期や予算を考慮して施工内容を確認するなど、各職種で求められるスキルを発揮し、プロジェクトを成功に導くことが求められます。
◇OB・OG訪問がおすすめ
もしも、建設業界が自分に合うか不安な場合は、年齢の近い先輩社員にOB・OG訪問を行うことをお勧めします。彼らから日常の働き方や仕事のやりがい、大変さ、困難を乗り越えた経験などを聞くことで、より具体的に自分の将来像をイメージしやすくなるでしょう。
建設業の仕事は多岐にわたります。施工管理は工事の品質と安全を確保し、計画通りに進行させる役割を担います。職人への指示、スケジュール管理、材料手配、施主や設計事務所との調整が含まれます。
設計職はクライアントのニーズをもとに設計図を作成し、機能性やデザイン、コストを考慮して最適な提案を行います。
技術職は現場で直接工事を行う職人と、新技術の開発や提案を行う技術開発者に分かれます。職人は設計図に基づいて作業を実施し、技術開発者は最適な技術や材料を提案します。
営業職は自社の技術やサービスを売り込み、工事の受注を獲得します。特に公共工事では、入札情報の調査と他社の動向分析が重要です。
事務職は企業の業務効率化や情報提供を担当し、企業の運営をサポートします。各職種はそれぞれのスキルを活かしてプロジェクトの成功に寄与しています。